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「笑美、あまり細かい事は気にすんな。
あの時お前が・・・、俺に抱かれたいと思ってくれた。
それだけで充分だよ。
・・・本当は、俺じゃ慧さんの代わりにならないってわかってただろ?」
「・・・。」
私の思いは全て見透かされていた。
だけど、彼はそんな私の本心に気付きながらも弱った私を受け入れてくれたのだ。
「あっ、そうだ!」
昂太はバイクから降り私の前に立つ。
そして少し照れながら、こう私に問い掛けたのだ。
「なぁ・・・、前に預かった帽子だけど。
今度帰省した時に取りに来てくれないか?
もう冬になるし、ストローハットは使わないだろうけど・・・。」
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