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すっかり忘れていた。 私は前回昂太と会った時、彼にストローハットを託していたのだ。 今頃になってこの事を私に話したのは、きっと次に会う約束が欲しかったから。 このまま何も約束を交わさず別れてしまえば、もしかしたらそのまま疎遠になってしまうかもしれない・・・。 私も昂太も、そう懸念したのだ。 「わかったよ。 多分今月はどこかで帰省するから、その時は昂太に真っ先に連絡するよ。」 私は彼に笑顔を向け、「じゃあね」と言って病院の入口へと向かった。 背中に感じる昂太の視線。 まだ彼は私の姿を見つめているのだろうか・・・。
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