■珪孔雀石

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 人間に裏表はある。大抵それらは善悪で分けられるのだろうけれど、木附の場合は少し違う。  彼の何の感情も持たない素の彼は、善でもなければ悪でもない。無だ。空虚の一言に尽きる。  彼の何がそうさせているのか、俺には好奇心はあっても興味はない。  ともかく俺が木附を好かないというのと、彼がひどく人間味のない男だと思っていることの認識は変わらない。  昼休憩を終えて生徒会室に戻る。顧問から渡された提出期限が明日の書類を片して仕舞わなければいけない。  この学校は生徒だけで運営していると言っても過言でないほど、全てが生徒の自主性にかかっている。それを取りまとめるのが生徒会である以上、イベントごとが近付くと忙殺されるのは否めない。  それを除いても普段からの仕事も多少なりともあるが。
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