荒浜

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祈りを捧げ、車を停めている道へと戻る僕はそこで初めて気が付いた。 周りには、沢山の車が停まっているのだが、 それらは乗用車だけでは無く、タクシーやマイクロバスが停まっていたんだ。 そして、そのマイクロバスに乗ってきたであろう団体さんが居た。 その10人程の団体の中心には50代の男性が居て、囲む人達に話をしているのが聞こえてきた。 何となしに耳を傾けてみると…… 「ここには、沢山の家があって……」 (ああ。あの人は震災の話をしている)僕はそう思い、ジッとその光景を見つめていた。 と、その様子を見た夏月さんが、僕にそっと耳打ちをする。 「あの方は、語り部さんだね」 (語り部さん、か。) 語り部さんを囲む方達の表情は真剣そのもので。 『伝えてください』 僕は、南三陸で見た写真のメッセージを思い出した。 image=483918247.jpg
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