19人が本棚に入れています
本棚に追加
……っつ……ぐすん……
……
……はっ。
目が覚めると、車は路肩に停車していて。
ぼんやりと、前を見る。
……っつ……ぐすん……
(え……?)
運転席で、夏月さんが……泣いている……?
ここは、どこ?僕は……どれだけ寝てた?
今、いったい、何が……起きている??
慌てて車窓から外を見れば、
子供の背丈程にも伸びきった草が生い茂る平地が広がる。
「亮のお墓……無くなっちゃった……」
「亮の写真さえも手元に残って無いのに……」
泣き崩れる夏月さんを
あさみんさんが気遣いながら目頭を押さえる。
このどこまでも続く平地。
どうやらここも、かつては街だった場所……か。
そして、夏月さん縁(ゆかり)の場所であるようだ。
最初のコメントを投稿しよう!