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某年 5月3日
ゴールデンウイークの真っ最中
本当なら
サーフィンの大会に参加する亮について遠征に行く予定でした
婚前旅行って雰囲気ではなかったけど、すごく楽しみにしてたのもあって……
亮の仕事の都合で参加を見合わせる事になった時は落ち込みました
もちろん、私よりも亮の方がその落胆は大きかったんだと思います
「波に乗ってなきゃ落ち着かないんだ」
一分でも長く
波の上に居たい
そんな亮の気持ちが痛いほどわかるから‥
強くは止められなかった
毎日仕事に行く前‥
夜明けと共に浜へ行き
まだ薄暗い海へと漕ぎ出す亮
いつもは私も一緒に海に入るんだけど
その日はあいにくの雨で‥
私も波乗りに関しては結構自信はある方だったけど、やっぱり亮にはかなわないし
特にその日は風が強く
波も荒れてて‥
「今日はやめようよ」
なんとなく不安になってそう言ってみた私に
「大丈夫だって‥
でも夏月は今日はやめといたほうがいいな‥波が荒い」
「うん」
こんな事は珍しいことではないし、今までだって何度もあったこと
「大丈夫、心配するなって」
その言葉を信用できるくらい
亮の腕は確かだったんだよ
亮が荒れた海へと漕ぎ出すと
私は近くに停めてあった亮の車に乗って、その姿を眺めていました
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