競りと来訪者

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笑顔で後ろを振り返る。 突然現れたそのひとに、私はそのままの表情でかたまった。 「久しぶり、綾乃ちゃん」 「……竜崎さん」 何も言えないでいると、「これから話せる?」、竜崎さんが私に質す。 休憩をもらった手前、これから仕事だという言い訳も使えずに、小さく頷いた。 どうして彼がここに来たのか、なぜ居場所がわかったのか。 たくさんの疑問が宙に浮かんで、心はもやもやでいっぱいだった。
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