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おぼろげな記憶のなかに、かすかに彼を見つける。
そういえば父の会社の絶頂期に、たくさんのパートやアルバイトを雇っていた。
「という前提を踏まえてもう一度質問するけど、本当にバーでの出会いが、偶然だったと思う?」
「……彼は私が父の娘だと知っていて、助けてくれたってことですか?」
「うん、そう考えたほうが、自然だよね」
さきほどまで責められているような気分でいたけど、勇気を出して竜崎さんを直視したら、思った以上に優しい目をしていた。
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