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逃げ込んだはずのバスは、勝手に自分のテリトリーな気分でいたけれど、彼が乗っても良いわけで…… 可笑しいほどにビクッと震えた私は、目だけで声の主を確認する。 私が座る座席の背もたれに右手をおいて立ったままこちらを見下ろす彼、長谷川柊がいらっしゃった。 さっきよりもずっと近い距離と初めてのアングルに戸惑いは隠せず、大袈裟に目を反らしてしまう。 「木下紗英サン」
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