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「〝外患誘致罪〟と同レベルにね!!」
そりゃつまり問答無用で……
「ぐぉっ!?」
気づけば俺の頭は、浴槽の底にぴったり張りついていた。効能のある湯が、それこそ体の芯まで流れ込んでいったのだ。
一命を取りとめた俺は、温泉に併設された蕎麦屋で腹ごしらえをすることとした。本来は予定地でカレーを自炊するはずだったのだが、これも計画変更の一環だ。
鰯だしの卵そばはなかなかに俺好みだった。溺死しかけた胃に優しく沁み渡ってくれる。隣の卓では女子どもがなにやら興奮気味で話している。まだ怒っていやがるのかと耳を傾けてみると、どうやらべつの話題で憤っているらしかった。
「本当に見たの?」
「え、ええ、見ました」
出辺の不審げな問いに、裏木が戸惑いながらも頷いている。
「こんな山奥にぃ? ありえんじゃろ、それは……」
駿河がきっぱりとかぶりを振るが、
「あ、うちも見たんじゃん、……あんたもね?」
「そうだし……わたしも見たし……」
なにを「見た」と言うのだ。俺は蕎麦をすすりながらもさらに耳を澄ます。と、ふと「仮面少女」のフレーズが聞こえてきた。まさか――
「なんだ、なにか『盗まれた』のか?」
そう訊くと、神妙な顔の裏木がひそめた声で、
「そうだけど……」
認めるが、なにか煮え切らない様子だ。すると駿河がはっきりと、
「ブラをやられたんじゃ」
「なに?」
うなだれている裏木。どうやら嘘ではないらしい。しかしなぜだ。仮面少女はそんなに裏木のブラにご執心なのか?
「アタシだけとは誰も言ってないけど」
険のある口調で裏木が睨めつけてくる。
「ほかに誰がやられたんだ?」
次々に手が挙がる。
「みんなブラを?」
いくら俺でもこう単刀直入には訊けない。勿論森だ。
「そうよ……山都じゃないわよね?」
「まさか! だって僕はしかと南子たちの裸を見ていたじゃないか!」
「声がでかい!!」
いっそうでかい声で南子にどつかれる山都。ざまあみろ、と俺は悦に入ってふんぞり返る森を見つめる。そして質問を再開した。
「……ってことは一人残らずやられたってことだな?」
みな無言で頷いた。
「ほかの客は?」
「あたしたちだけだったみたいじゃな……」
「ん?」
と、ここで俺は違和感に気づいた。つと口にする。
「亀津も盗まれたのか?」
同時に、
「どういう意味じゃん!? 喧嘩売ってんじゃん!?」
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