第6章 机上の手紙

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夕陽が街を照らし続ける。 そして、暗闇に一つ一つの電燈によって補っていた。 丸く光って決して心細くはなかったが、 時間が経つ毎に淋しさが滲み出てしまいました。 歩いては、休み…歩いては、休みの行く場所がなかった為に、 一つの家の前でしゃがみ込んでしまいました。 「ねぇ…かわいい…大切なリボン。 ここで私は過ごしてしまうのかな…ねぇ……本当はね… あそこの私の…見えなくなったけど、私の家で… 私は、大切な家庭でいたかった…でも私は、お母さんに会いに来て… 只、その一心で来たけど…ここまでね」 とリボンを握りしめて小言で言いました。 すると、そのリボンは、蛍光色に光り始めた。 するとどこからか、足の音が聞こえた。 こんな、夜に人が通るのは、ない港町に何故だか、 人影が電燈とリボンによってうつし出されていた。 「ローゼ?…」 と近寄って覗いてみていましたおばさまが言っていました。 「いえっローゼは、私のお母さんです」 と沈んだ声で言った。 「そう…ローゼのお子さんだったの… それでここで何をしているの?」 「ここで…行く当てがなくなって…落ち込んでいました」 「おうちは?」 「こっそりと出てってしまいました」 「それなら正直に、お父さんに謝りなさい。 お母さんが返って心配してしまうわよ。 ローゼさんには、色々とお世話させていただいたけどね」 とこの街から家に戻る様に言われました。 「いえっお母さんが、この手紙で私の帰りを待っていますっと 書いてありましたので…私は、港から船に乗ろうとしておりました」 と私は、その手紙をおばさまに手渡した。 「どれどれ」 と言ったあとに何やらぶつぶつと小言で読んでいました。
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