第6章 机上の手紙

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「もう…ここで…過ごす事になると…」 とベッドで横になって天井を見ていました。 すると、眠りについていたらしく、 暗闇の中に私がポツンッと立っていると 周りは、あっというまに草原一面になっていました。 空は快晴で、とても風が心地好かったのです。 ふと横を振り向くと、誰だか知らない女の人が、私を見ていました。 無表情で遠くを見ていました。 私よりも身長が大きくて、無表情の目には、涙が溢れていた。 「どうしたの?」 と私は、その人が心配だった。 「あなたを見放してしまった事は、本当に私の過ちだった。 しっかりとしていなかった私を許してちょうだいシェリー…」 とそう言いながら私を抱きしめていた。 思わず私も感情がうつってしまった。 「私は、セントバード市にいるから、 あなたをずーっとずっと待っているから… だから辛い思いをさせるけど…帰ってきてシェリー」 と言って何故だか、遠ざかっていく。 私がいくら走っても追いつく事は、できなかった。 「お母さん?…お母さん!待って!お願い…私から離れないで… 行ってしまわないで…お母さーん!」 と言った時には、ピンクだらけに染められた ランプ屋の借り家だった。私は、嫌な夢をどうやら見ていた。 手には、蒲団を丸く海苔巻状になって強く握っていた。 時計に私は、目をやると、丁度、七時だった。 私は、急いで髪にリボンを結び、一つ結びにして 一階のランプ屋に向いました。 「おくれました…おばさま」 と私は焦って喋っているとおばさまが頬杖を ついて椅子に座っていました。 「ダメだわね。ちっとも客が来なくなった。売り値が高いせいだか… ランプに興味がないのか…私には、分らないわ」 と落ち込んで、しゅんとなっていた。 私は、どうすることもできずにいました。 「ああ、あなた……もう七時なんだね」 と相変わらず元気がなかった。
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