弱い者が弱い

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「先生、どうして人を殺してはいけないんですかぁ?」 くだらない授業にくだらない質問 「お前は自分や自分の大切な人が殺されても良いと思っているのか?」 センセー。質問に対して質問で返すのはルール違反だと思います まあ、百歩譲って先生の質問に答えるとするならば、つまり、自分も誰も大切じゃなけりゃ殺人をしても良い理由があるって事だな。うんうん 「先生、そしたらボッチになって人生に絶望したら無差別殺人鬼になりまぁす!」 明るく答えたら、女子から野蛮だと非難の声が上がる 「そんなに人を殺したいなら、戦場に行けば良いじゃない!」 馬ぁ鹿。命の価値が紙切れ一枚よりも薄い人間を殺したところで、何が変わるもんでもないでしょ パンッ 「やだぁ。この蚊、血を吸ってた~」 手のひらに潰れた蚊の脚や腹と人間の血をくっつけたまま女子が笑う 「卵もついてる。気持ち悪い~。手ぇ洗ってくるね!」 君は何千、何万の罪もない女子どもを大量に殺した殺人鬼だぜ? 「仮に、お前らが死んだら、悲しむ奴が大勢いるだろう。先生もその中の一人だ。人は一人で生きているようで、必ず誰かと関わって生きている」 言葉を尽くしても、ガキんちょ一人説得出来ないほど、命は軽い
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