第10章 沙漠の旅にて

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「心臓病…心臓を変えるだけで、生還できるのかな…」 とその辺りが分らなかったのでしたが、 おじさんは、何も言わなかった。 「おじさんは、どうしてピエロをやっているの?」 としつこく聞いてみると、 「それは、だね…子供は勿論、大人が子供になって、 懐かしむ心をもってほしい願いと、 子供の笑顔が…見たかったからだったかな…」 とポケットに入っていた手玉をクルクルと回していた。 「そうなんだ」 とおじさんのお姉ちゃんと弟さんの笑顔と 照らし合わせていたのかなと想っていました。 「やらせて」 と私は、手玉のクルリがやりたくて仕方なかった。 「じゃあ…二つの玉をあげよう。 この手玉は、私が何十年間か使っていたものなんだよ。 だから、大切にして下さいね」 と言って手渡していた。 私は、受け取った時に、手玉をギュッと握りしめていた。 「それ程に、大切にしてくれると私も安心していられる」 と言ってニコやかになっていた。 「おじさん…ありがとう」 と思わず手玉を投げ上げて、取って、 幾度かやってそれから私は、リュックの中に入れた。 「私…ここの沙漠をあまく見ていたと思う… だから、おじさんについていきます」 と笑顔になりながら、ワクワクとさせていた。 何だか、命の大切さを改めて知る事ができた。 だから、私は、しっかりと生命をあたたかく持ちたいと思った。 そう言っていると前にサンドワームが立ち塞がっていた。
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