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第一章
フィオルド王国は、完全王政の平和な王国だ。
しかし、この国にも謎の反王政派がいることは確かだった。
この王国の王子である俺……アルベルト・ドリシアは、その反王政派からの攻撃を避けるため、城から一度として出たことがない。
俺自身は城の外に出たかったのだが、それは不可能に近いことなのだと、幼い頃から分かっていた。
しかし、幼なじみ兼、側仕え兼、執事の、ジオルド・セシルのおかげで退屈はしたことがなかった。
彼はいつも一緒にいてくれ、よく外の話を聞かせてくれた。
何をするにも彼が一緒だった。
厳しい教育にも、ジオがいたから、耐えられたのだと思う。
年月が経ち、俺が13歳に、ジオが17歳になったその年の、
両親である国王両陛下が、他国へ訪問しているその日に、
城が襲撃された。
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