第1章 出会い

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「私のメアド、後番号ね」 それは彼女のお店の名刺だった 「あっ、まだ友達だから、束縛とか仕事に口出し禁止ね、私どうしてもお金が必要だから」 「うん…」 僕は何も言えなかった、彼女の手帳にはレシートが沢山挟まっていて一枚だけ逆さまになっていたのをみて僕はびっくりしていたから そこには薬局の名前と日付、それと金額が書いてあってその金額が約二週間分で一万ちょっとと書いてあったから 多分今彼女はそのお薬が無いと死んでしまうから、とその時医学に無知な僕は思っていたから… 彼女は帰り際に言った… 「良かった、発作出なくて…」 呟いた様にも聞こえたが、その時の僕は彼女の声は上の空で、連絡先を教えて貰えた事自体が嬉しくて舞い上がっていた 「みさき、今日の夜又逢えない? 一晩一緒にいてくれたお礼がしたいの、嫌なら良いんだけど…」 「ぜっ!全然やじゃない!むしろ是非お願いします!」 「なら、仕事終わったら連絡するね、その前にみさきの連絡先メールで送っててね、宜しく」 そう言って彼女はフロントに電話を掛け、彼女だけ先に出る事を伝え鍵を開けて貰い、帰って行った… 取り残された僕は、「やったー!」と一人ベッドの上で喜び、舞い上がっていた とその時、僕の携帯電話が鳴った 「はい…」 「あっ、相葉ちゃん、おはよ~」上司だった 「すっ、すみません、今から行きます!」 「あーその件でさ、先方が今日の下見明日にしてくれっての…、何か先方の人の奥さんが産気づいたらしくて、相葉ちゃん今日は良いんだけど、明日代わりに出てくれない?、俺明日は子供の運動会でさ~、小学生最後で騎馬戦有るからどうしても行きたくって~、子供とも約束してて、頼むよ!、今度飯奢るから!なっ、頼むよ~相葉ちゃん!」 この人はいつもこうだし、一応僕の上司だから、僕は了解して、明日の時間だけ確認して電話を切った… 「あ~何で明日なんだよ…」 僕は心の中で呟き、シャワーを浴びにシャワー室に向かった 時間は9時を少し回った所だった 10時には出なくてはいけず、僕は急いでシャワーを済ませ、ホテルを後にした…
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