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あの後も騎士団長様から色々とアプローチが来ていたが、私は難なく躱し、今は部屋にいる。
そして、私はある事を計画していた!
それは……。
この城から出る事だ!
ど~せこの城にいても、訓練だなんだと言ってあの騎士団長が私に近づいて来るのは目に見えているし、第一、身体を動かす事は嫌いだしな。
城に出たらどう生活するって?
そんなもの決まっているだろう。
ギルドで働くのさ! 私が目指すのは、受付嬢だ!
まぁまずいきなり受付嬢になるのは無理だと思う。
だから、最初はギルドでランクを上げて行き、ゆくゆくは受付嬢で適当に過ごす事が、今の私の目標だ。
何でギルドの受付嬢? と思うが、これでも私は表面上は良い人とか結構得意である。接客も高校生の時にバイトで経験あるし、何より、歳を取っても受付なら出来るだろ?
それに、どうせもう、元の世界には帰れないだろうしな。あの王国の連中が私達を帰す筈がない。
魔王を倒した後も、何かと利用してくるのは目に見えている。なら、今の内に手に職を持っていた方が、後々面倒が少なくて済む。
王国に借りを作る事は絶対にしない。したら最後、何を頼まれるかわかったもんじゃない。
ベッドで横になりながらいつ出るかと考えていると、ドアが開かれる。ノック無しで。
「先生~」
「何だ」
可愛らしく両腕を伸ばして私に迫る桜に、私は素っ気なく答える。
「素っ気ない先生も、良い……」
蕩けた表情で言う桜に、げんなりとする私は、取り敢えず、来た理由を聞く。
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