はしゃぐ気持ちは止められない!

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「立てないなら抱っこするが、どうする?」  桜に聞くと、フルフルと震えながら頷くのを見て、私は直ぐに桜を抱っこし、城の外へと足を運ぶ。  抜き足、差し足、忍び足、と、まるで某潜入ゲームを沸騰させる事をしていると、門まで辿り着く。  門には二人の門番が立っていた。  どちらもお約束的な感じで、眠そうに何回も目を擦り、時々欠伸をしていた。  これでいいのか門番よ。  心の中で突っ込む私だが、これはチャンスであるのも確かで、これなら余裕で門を抜けられる。  桜を抱っこした状態で、私は門の外に高くジャンプする。  あたしに超えられない壁などない!  はいすいません調子に乗りました。  上手く着地し、夜に紛れる様に移動する私は、テンションが上がっていた。  まるで超人になったような感覚、イヤ、実際に超人になったのか。普通ならこんな芸当は出来ないが、この世界の私なら可能だ。  ――っふ! 今の私に不可能などないわ!!  かなりテンションが高まっている私は、門から遠く離れる事に成功し、一気に下に走ると、明かりが転々と灯っている町に着く。  だがしかし、町に着いた所で意味はない。  何故ならこの町にいては直ぐにあの城で私達がいなくなった事で騒ぎになる筈だ。そうしたらこの町にいたら直ぐに見つかって連れ戻される。  夜で危ないが、この町とはおさらばだ。  町の中を縫う様に走り去る私は、本当に年甲斐もなくはしゃいでいた。ここで新しい黒歴史が生まれるとは思わなかったよ……。
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