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それから陸は、壊れ物を扱うみたいに俺を触ってきた。
優しくベットに下ろされると、躊躇したのか動きが止まった。
俺を見下ろす陸は、照れて、それでいて少し辛そうな顔をしている。
激しい感情を押さえるのが苦しそうな切ない顔。
俺も怖かったけど、年上だし、安心させてやりたくて。
首にしがみついてキス、してみた。
それからは、陸の重みでベットに沈み、上手く身動きがとれないままその身を任せた。
明日、身体大丈夫かな、とか。
明日、遅刻しないかな?
とか冷静に考えてしまっていたら、
突然、陸の指が俺の中に入ってきた。
「――――!?」
「今、上の空だった」
ちょっと拗ねた顔で言うので、意趣返しのつもりだったらしい。
「ごめん」
「うん。俺も優しくしなくてごめん」
そう二人で笑い合うと、ゆっくりと1つになった。
汗で貼りつく髪を、かきあげる仕草がなんだか手慣れていて悔しい。
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