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「今日は、小テストをしまーす」
類がそう言うと、女子の一人が手を挙げた。
「先生、大丈夫ですか?」
窓に寄りかかり腰を押さえる類に気遣う様子で言うが、類はへらりと痩せ我慢した笑顔を向ける。
「階段から落ちちゃってお尻に痣ができたんだ」
てへっと笑うと、案の定女子たちから『可愛い』とクスクス笑われる。
俺は黙って立ち上がり、類の手からプリントを奪う。
「配ります」
「ありがとう」
そう笑うが目は怒っている。
もう無理……とか、
許して……とか、
ボロボロ泣いて類が煽るから。
止められなかった。
こんなに類に負担があるとは思わなくて、
ベットから起き上がれない類に土下座して謝ったけど、
けど、類は怒ってるのか口聞いてくんないし。
これ、俺が受け入れた方がまだ負担なかったのか?
でも、180近い男の俺なんか抱いても詰まらないし……。
そう考え事をしたら、チョークがコツンと頭に当たった。
「真面目にしなさい」
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