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『無理矢理キスするような、乙女心も分からない年下男なんか一ミリも好きになりたくない』
パーティの後に、そうこてんぱんに軽蔑するように引導を渡した。
やっと凹んでくれたので、この距離で居て欲しい。
まだ分からなかったらボコボコに殴ってやろうかと思ってたから助かった。
「あの……デザイナーなら知り合いに居るんですが」
「誰よ」
沈んだ寂しげな目で佐久が挙手する。
「橘 麗也(たちばな れいや)です」
橘 麗也?
そんなデザイナー、うちのリストにはない。
早良がすぐにパソコンで調べ始めたけれど。
「あのさ、20周年特設HPも作るべきじゃないか?」
厚底眼鏡のハルがパソコンから顔を上げて偉そうに、言う。
「あら、じゃあハル、頼むわよ」
「俺は無理。デザインセンスないし」
じゃあお前は何ができるんだ。
とか思いつつも仕方ない。
……今契約してる業者に頼むしかない、か。
「あの……それも俺が」
「――顔が広いのね」
「岳理(がくり)って言う知り合いが……」
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