第１回 1/3

書き出しについて

正直言って、こういう説明とか、その作品の世界観みたいなものって、関心無いんです。

人間って、何でか知らないですけれど、同じ人間だったり主人公が何をして、どんな風な人間なのか、そこの焦点2つにしか関心が無いんですよ。

単純に言えばストーリーとキャラクターです。

僕たちはどうしてもここ(冒頭・説明)が不安だと伸ばしてしまいますけれど、これはやっぱり切らないと。

プロの作品でも、実はこれが冒頭の300枚とか、長編小説ですと300枚を超えることもあるんですよ。
例えば今回の直木賞の候補作になった、ある若手作家の忍者ものの小説があるんですけれど、その選評で東野さんは「頭の何百枚を何もせずに前説だけで使ってしまうのは駄目だ」という風に言っています。

でも不安になるんだよね。だから皆さんも書きだしの所で、「電車の中でいきなり誰かに殴られた」あるいは「お財布を拾った」、「盗んだ」でもいいんですが、そういうところから入れるといいですね。しかも緊張感も有るところでですね。