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「この度、陛下の身辺警護を申し使ったサリファと申します」
恭しく頭を下げた男は、金の髪が自慢だった。
金というのはこの世界で最も価値があり、稀少なもの。
体の一部にその色を持つということは、神の子と同等の扱いをされるということだ。
サリファもまた、相当いい暮らしをしてきた。
しかし、顔を上げたサリファは愕然とした。
王のあまりに美しい容姿にも驚いたが、何よりあまりに眩しすぎたからだ。
自分の髪が金ではなく、黄色ではないかと思うほど、王の髪は輝かんばかりの黄金だった。
そして、両目もまた純粋な金だった。
こんな髪で、何を天狗になっていたのだろう。
サリファはその場で髪を切り落としたという。
これは、今から三年前の有名な話。
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