第6話 甘いコエ 1

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『先週の贈賄事件で、捜二は人が出払ってます。松波さん、私が同行しましょうか』 メガネの奥の目を光らせ、リリコが松波に近づく。 『梅林寺さんに、危ない仕事はさせられません。大切な、官僚候補なんですから』 『それは、あなたも同じですよね。松波さん、私、役に立つと思いますよ』 距離を無くすリリコに、松波は後ずさる。 『それに、チャンスだと思いませんか?  女性は、いくら見た目や肩書が良くても、仕事が出来ない男性に魅力は感じませんからね』
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