第6話 甘いコエ 1

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『すごいな、話には聞いてたけど、今時、こんな所あるんだ』 鍵が掛かっていない部屋に入り、松波がぼそりと漏らした。 『松波さんは、こういう場所に頻繁に来られるんですね』 『自宅に入れる人は、決めてるから』 さらりと言った松波から離れ、リリコは、コートのポケットに手を入れる。 靴のまま部屋に上がり、ぐるりと見回す。 自宅の寝室より少し狭い。 ビジネスホテルと似ているが、雰囲気が違う。 ベッドに対しソファが小さく、リリコは首を傾げた。
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