第6話 甘いコエ 1

22/30
前へ
/30ページ
次へ
『どうですか、初めてのラブホテルは。初めてが、僕ですいません』 『クリーニング屋さんの匂いがします』 リリコの答えに、松波は吹きだした。 『松波さん。この部屋、安全です』 そう言って、リリコはポケットから片手を出す。 手の中の機械を見て、松波は目を開く。 『そんなの、いつも持ち歩いてるんですか。重たくない?』 『昔に比べれば、ずい分軽くなりました』 そう答え、コンセント周りを、リリコは発見器を手に探っていく。 その姿を見ながら、松波は玄関で靴を脱ぐ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

215人が本棚に入れています
本棚に追加