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時々、夢を見る。
どこまでも美しくて、残酷な夢を。
空に手を伸ばす。
でも自分の手は血にまみれていて、決してその美しい青に溶けていくことはない。
その空に、大切な人が吸い込まれていく。
叫んでも声は届かず、その人は幸せそうな笑みを残して逝ってしまう。
そして地に残るのは紅く染め上げられた自分だけ。
一人孤独な叫び声を上げて、その声がひたすら無慈悲な青の中に響く。
そんな、空の夢を。
《END》
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