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今にして思えば、故郷でもない東京をなぜこんなに好きになったのか。
それはやっぱり君と出会った街だから、君が生まれた街だから、だという気がします。
あの頃は僕も、とにかく君を愛することにせいいっぱいで、そんなことを考えてみたことさえ、なかったけれど。
今、こうして君に会わずに生きている自分が、嘘のようです。
もしかしたら・・・・あれからずっと僕は立ち止まったまま、君から歩き出せないでいるのかもしれません。
考えてみたら僕は、あんまり感情を表に出すタイプではなかったけれど、君にだけは特別でしたね。
君に怒ったときは自分でも、そんな自分に驚いたりして。
出発の日、飛行機に乗ってから、悲しくて思わず涙をこぼしそうになった・・・・っていうのは内緒だけどね。
とにかく、そんな風に僕を感情的にさせたのは、やっぱり君だけでした。
君も、僕には愚痴や悩みを打ち明けてくれたし、僕も話してほしかった。
正直に言うと、あの頃は君のすべてを受け入れることができると自負していました。
でも、最終的に君のいい分、全部受け止めてあげられなかった。
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