紺碧2

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「ちょっ、馬鹿、ツグミ!!」 「あちこち行くんだ。たくさんの人に会って、あぁでも、クニに入るのって難しいんだっけ?」 「大阪の身分証明もらった。大阪ならいろんなクニと同盟組んでるから大抵のクニに入れる」 「あはっ、さすがシュウだ。用意周到、猪突猛進!」 「なんだよそれ、凄い矛盾」 ケラケラと二人で大声で笑う。 「あーあ……なんで東京、負けた、かなぁ……」 「……うん」 「東京、嫌い、だったけどさぁ……でもさ、あたしの友達はいい子ばかりで……大人が、悪かった、のかな。でもねでもね、大阪の大人はいい人で、」 「……うん。解ったから」 ぽんぽん、と背中を撫でられた。 「泣きたいときになんかいろいろ言い始めるの、ツグミの癖だったよな」 「馬鹿あぁぁぁぁ……」 いろいろ言い募ったような気がする。ずっと泣いてた気がする。 泣き止んだら、妙な静けさと虚無感があって。 その感覚がなんとなく大人みたいな気がして。 でもきっと、あたしたちはまだ青い青い子供で。 酷く不安定なことは請け合いで。 でももう一人いるんだったら。 「シュウと、あたしが、いれば最強、だよね」 嗚咽と嗚咽の合間に挟んだら。 「当たり前だろ」 シュウは磊落に笑った。
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