不思議売ります2

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あぁ、とわたしは頷く。 「それじゃあ、仮面屋さんも、ファンタジィ?」 「そう」 やだなぁ、とわたしは笑う。 「また、ファンタジィか……」 「うん?」 「たまには、リアルに触れてリアルで生きないと、引っ張られちゃう」 わたしの目の前、机の上に積まれた真っ白な本を眺める。 「やだなぁ、やだなぁ、わたしまだリアリティの中にいないとなのに」 「何故?」 「何故ってなにがです?」 「何故リアリティの中で生きるんだい?」 「やぁですね、ヴィオレ」 にこっ、と笑ってみる。 「だって、愛子がいますもの。まだ、リアリティにいないと」 「愛子、さん」 「愛子にわたしまだ、なにも返せてないんですよ。きっかり全て返してから、わたしはそちらに行きます」
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