不思議売ります2

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なにを貰ったんだい、とヴィオレが問う。 「そりゃあ、たくさん。……わたしきっと、愛子がいなかったら死んでたんじゃないかな。それくらい、のことです」 「そりゃあまた」 「わたし、もういいんです―――」 ―――ゴーン!ゴーン! 「うわっ、……鐘?」 「大きなのっぽの古時計だよ」 「はっ!?」 「もう、お帰りになって、って言ってるんじゃないかな。ほら、時間も」 「うわっ、本当だ!帰ります!!」 気付けば外が暗くなっている。バタバタと帰り支度をして、ヴィオレにぺこっと頭を下げる。 「バタバタしてごめんなさい、それじゃあ!」 ちりりん、といつもは可愛らしい音を立てるドアベルも乱暴に。図書館から出ると足元が怪しくなっていた。山の夜は来るのが早い。 「はやく帰んないと―――」 リアルに。
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