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あたしを抱きしめた。
「麗那───?」
「ごめん───ごめんなさい、お姉ちゃん」
「麗那、」
「大好き、大好きよ。いつもおはようって言ってくれてありがとう。ママのことも、わたしのことも、大好きって言ってくれてありがとう。一緒に有村さんを追い出してくれてありがとう。大好き。大好き、大好きよ、お姉ちゃん」
「麗那」
「都合のいいこと言ってるの、解ってる───でもね、わたし、お姉ちゃんのこと大好きよ。お姉ちゃんは、わたしの家族よ───」
「……ありがとう、麗那」
囁く。
「あたしも麗那のこと大好きよ。───ほら、行きなさい。まだ間に合うから」
麗那が走っていくのを見送った。麗那が視界から消えた瞬間に、喉が苦しくなる。目から涙が溢れる。真っ赤な、炎。
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