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そうだ、お母さんの、様子を、見ないと。
「お母さん───」
「───麗那、は?」
あぁ、とあたしは小さく笑う。
そして、小さな思いつき。
「麗那はわたしじゃない、ママ」
あたしと麗那は双子だもの。ばれやしない、
「───真理亜は?」
「え?」
「そうよ、真理亜。真理亜は?わたしの娘の真理亜はどこ?最近見てないのよ。そうよ、どこに行ったの、わたしの、わたしの愛しい娘───」
「お母さん───」
「あぁ、真理亜、そこにいたのね」
にこっ、とお母さんは笑った。あたしを見て。そして、あたしを抱きしめて。
「真理亜───」
「お母さん───!」
「あらあら、なんで泣いているの?せっかくの可愛い顔が台無しよ?真理亜は笑ってる顔が一番可愛いんから」
「本当?わたし、可愛いかしら」
「えぇ。だってお母さんの娘だもの」
「お母さん、あたしのこと好き?」
「えぇ。大好きよ。愛してるわ。だってお母さんの娘だもの。あなたは、わたしの愛しい女神様よ、真理亜」
大好きよ、お母さん、麗那。
思考は全て、紅蓮の炎に焼かれた。
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