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なので学校には欠席の意を伝え、しかし父母には茶話会に出席すると伝えました。母は私と同じで人付き合いが苦手な方だったので、出席しないと私に言いました。
父はどうしても仕事の都合がつかない、と言いました。
きっと父母のどちらかが茶話会に出席したのなら、私は茶話会に出席したのでしょう。詮無い話、ですが。
夜の町をひたすら歩きました。強いて言うのなら、これが私の感慨。
生まれ育った町を離れる、私の感慨。
愛とはなにかしら、といつもの思考に溺れることに致しましょう。あの日以来、幾度となく溺れたこの思考に。嗚呼しかし、私は未だに答えが見付からないのです。
だから、あの日の答えが正しいのか間違っているのか、解らないまま。
「イノチミジカシコイセヨオトメ───」
口ずさんで、自嘲。恋はしないと、決めた私は、きっと乙女ではない。
だから、
今すれ違ったあの人には
声を掛けないのです。
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