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「幸───!?」
嗚呼、声がする。あの人の。あの子の声までもが。嗚呼、嗚呼、嗚呼!恋は、幸せは、見付かったかしら。どうか二人で幸せを。
私の幸せを、どうかあの二人に。
私に傷付けられたせいで、二人ぼっちになってしまったあの二人に、あげてくださいまし。
「イノチミジカシコイセヨオトメ───」
その通り、その通り。私は短い命を捨ててしまった。もう戻れない。あの頃のように、純粋には笑えないのです。
「あしたには、笑えるやろか───
あしたには、笑えるやろか───」
蓮葉な歌を。きっと笑えない。明日は笑えない。だからこそ、願いましょう。笑えることを。今日笑えなかったから、明日の笑みを願うのです。
それでも、
後ろから乱暴に掴まれた手を、
今度は自ら絡めて、
「ずっとね、私、貴方のことが好きだったわ───」
「あぁ、ごめん」
「幸、ごめんなさい───」
「久し振りね、二人共」
けれどもしかし、やっと笑えるような、気が致します。
(「イノチミジカシコイセヨオトメ」by クリープハイプ)
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