第1章

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お兄ちゃんはいつも私を起こしてくれる。 お兄ちゃんはいつもご飯を作ってくれる。 お兄ちゃんはいつも本を買ってきてくれる。 お兄ちゃんはいつも私に優しくしてくれる。 私が目を覚ました時から、いつも…。 きっと、私が目を覚ます前から、ずっと…。 私はお兄ちゃんに隠し事をしている。 私は、誕生日に目を覚ました。 それ以前の記憶がほとんどない。 ただ、わかっていたのは、 あの好青年がお兄ちゃんだということ。 私が真姫だということ。 それと、 私は戦わなきゃいけないこと。 お兄ちゃんの笑顔を守るために…。 記憶を、取り戻すために…。
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