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「シローさん!
お疲れさまッス!!」
舎弟たちは大きな声で
佐条くんを囲む
「……」
有宮くんは黙って
それを見つめていた
彼の目は優しげで
何も言わないけれど
仲間を守れたことが
嬉しいのだと
あたしは悟った
「有……、
佐条」
佐条くんが
有宮くんに呼びかける
「生徒会長がケンカなんて
物騒なことして良かったのか?」
舎弟たちは黙って
有宮くんを見つめていた
有宮くんは佐条くんの顔のまま
「あぁ」
ゆっくりと頷く
「お前たちには借りがある」
この瞬間
長年いがみ合ってきた
生徒会と不良グループが
わかりあえた
「つーかお前
どんだけパンチ受けてんだよ」
「僕の顔を
そこまで汚しといてよく言うよ」
…気がしたのは
あたしだけ、かな…?
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