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「有宮くん…
大丈夫?」
あたしは彼の元に駆け寄る
有宮くんは
四北の裏庭にあった
ベンチに座ったままだった
「このくらい
なんでもない」
そっけなくそう答えるけれど
立ち上がる気配がない
座ったまま
傷の箇所を確認し
今になって疲れが出てきたのか
大きく息を吐き出した
「ちゃんと手当しないと…」
「たいしたことないっつの」
あたしの手を払いのける
また
距離を感じた
「お前には関係ない」と
言われた時の気持ちがよみがえる
心が重くなって
あたしはどうしていいか
わからなくなってしまう
もっと
わかりたいのに
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