どちらのために

2/5
前へ
/45ページ
次へ
午後9時 いつもの集会場所に 佐条くんとあたしはいた 目の前には大勢の仲間たち 以前、ここに来た時のような 和やかな雰囲気はどこにもない 隙を突いて 四北高グループが攻めてくるのではと ぴりぴりとした緊張感が張り詰めている グループ旗を掲げ メンバーはグループ色のバンダナを 口元に巻いていた 竹刀を持っている者もいる 戦闘態勢というわけだ 「遅いな」 スマホを開き 一言佐条くんが言うと 「はいっ 自分、周りの偵察してきます!」 舎弟が一人 声を張り上げた 「待て」 佐条くんは それを制して スマホを押す
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加