─誤算─ Act37.

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不安そうなのは知ってたさ、オレがそうさせたんだから。 誤算だったのは、どうにもできない状況に追い込んだことだ。 美緒の交友関係になんて、興味を持ちもしなかったから。 他人のために黙って苦しむ子だと気づけなかったから。 『好きなの?』 尋ねられても、何も答えられなかった。 好きってなんだ。 振り回し、傷つけて後悔している、この気持ちがそうなのか? どうしていいのか分からず、真紀と話しても混乱するばかりだ。 『自分がどうしたいかも分かんないんだ…』 静かな真紀の声に呆然としていたら、再び、電話は切れた。
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