─誤算─ Act38.

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言いながら、葛谷はニヤニヤ笑っている。 いつの間にネタにされていたんだ。 葛谷との付き合いは三年以上になるが、こんなことを言われたのは初めてだ。 「…いや、違うから…」 目をそらさずにはいられなかった。 上っ面の関係は恋人でも、誤解されて喜べるような関係じゃない。 「へー…」 目線を戻すと、葛谷は疑いの眼差しでオレを見ていた。 椅子の背にもたれ、頭の後ろで指を組む。 「まー、どーでもいーッスけど… アレだ、吉城さんまでいきなり抜け駆けとかやめてくださいよ? とりあえず」
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