─誤算─ Act37.

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どうしたらいい。 このまま放置するなんてできない。 美緒はどこにいる? うまく言い繕うことはできるだろうか。 浅く腰掛けて壁に後頭部を預け、オレは苦く笑った。 この期に及んで、何を考えているんだ。 父親の不倫を暴いて、追い込んでやろうとしていたくせに。 オレはいまだに、自分だけ無傷でやり過ごすつもりか? 諦め半分で、オレはもう一度真紀に電話した。 無視されても当然だ。 そう思っていたが、コールは八つ数えただけですんだ。
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