─誤算─ Act39.

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…最初は、一時間待つと決めて待ったんだったな。 ふと、そんなことを思い出した。 くだらない思いつきで動いていた頃。 いったいなんだって、愉快だなんて思えたんだろう。 苦笑いをする気力もなく、しばらくの間、ぼんやりしていた。 数分の間に、二台の車とバイクが脇を走り抜けていった。 それほど寒がりな方じゃないが、もっと着込んでくるべきだったな。 約束もなく待ち続けるだけというのは、こんなにも空しいものなのか。 街灯の下を何かがよぎった。 人影だ。 オレは反射的に車を降りていた。 通りすがりの他人かもしれないと思ったのは、降りた後のことだった。
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