85人が本棚に入れています
本棚に追加
『…なんなの』
普段の活発さからは程遠い声。
身勝手と分かっていても、気遣ってやれるような余裕はなかった。
「…別れたのか?
その…彼氏と」
『別れてない』
それならどうして、と危うく口にするところだった。
機嫌を取るわけじゃないが、また電話を切られたんじゃ話が進まない。
『でも、もうダメだし、あんなヤツ…
なんか、あたしばっかり悪者…』
「また喧嘩したのか?」
『そーだよ、喧嘩ばっかりだよ。
自分は他の女の子とだって飲みに行くのにさ、
あたしだってそーいう相手くらいいるって言ったら怒るしさ』
最初のコメントを投稿しよう!