85人が本棚に入れています
本棚に追加
「…友達と…喧嘩して…」
やっとの思いでしぼり出したような声に、オレは、何も応えられなかった。
どうしていいのか分からず、しばらくその場に立ち尽くす。
呼び出したくせに、先のことを何も考えられない自分には呆れるしかなかった。
美緒が落ち着くのを見計らって、車へと誘導する。
マンションへ連れて行くわけにはいかなかった。
今、この場をどう取り繕ったところで、いつかは別れなくちゃならないのだから。
住処に連れて行かれた記憶なんて、残ってもつらいだけだろう。
最初のコメントを投稿しよう!