第1章

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「聞きたいことが、あるんです。聞いてもいいですか?」 「なに?いいよ」 「・・・浮気されたのに、どうして、許せたんですか」 結崎さんが、浮気した理由は、考えても分からないので、考えなかった。 その代わり、あの後も変わらずに、結崎さんと高井さんが、一緒にいるところを見て思ったのだ。 彼女は、どうして浮気を許せたのか。と。 円満破局で、仲がいいままだという線は、女の勘で、違うと検討をつけた。 それは、たぶん当たっている。 隣の彼女は、手に持ったグラスを揺らし、光を反射して輝くブランデーを遠くを見つけるように眺めた。 そして、ゆっくりと口を開いた。
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