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「これで良いか。そろそろ帰らないと」
「あっありがとうございました。お子さん九歳でしたっけ」
「そう、俺が二十二歳の時の子だからな。じゃぁごちそうさん」
鶴間は千円札をテーブルに置くと手をヒラヒラと振った。店の大将がありがとござんしたとしか聞き取れない声を小さな店内に響かせていた。
ビールジョッキ一杯にネギマ一本で千円なんて先輩、払いすぎですよと思いながらも三春はありがたく財布にお札をしまい、鞄の中からノートパソコンを取り出し、食べ物のお皿を鶴間が座っていた席のほうに寄せノートパソコンを開いた。
『刑務所内で怪奇自殺。猟奇殺人者の最期』
タイトルをパソコンに打ち込み内容を書き出す。どうせいつものように編集長に駄目だしされるのが落ちだろうが、自分の書きたい事を書かずにはいられない。
三春はいき込んでパソコンとにらめっこしながらつくねを口の中に頬張った。
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