第1話 『雷光』

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4時間目。英語の授業にて。 ルナは机に突っ伏して寝息を立てていた。 アリア 「い、雷さぁん・・・起きてぇ~・・・」 アリアが、どうにかしてルナを起こそうとシャーペンでつつくが、まったく起きる気配が無い。 アリア 「あ・・・」 アリアが悪寒を感じて前を向くと、英語教師が世紀末覇王のような顔になって「うぬぅ」と唸りながらチョークを握り締めていた。 その修羅のような顔を見て、アリアの顔がみるみるうちに青ざめていく。 「ごおおぉぉしょおおはぁあぁ!!!」 英語教師の怒号と共に、その右手からチョークが放たれた。凄まじい速度で放たれたチョークは、正確にルナの頭に命中した。 ルナ 「いったぁーい!?」 一撃で目を覚ましたルナが跳ね起きた。 ルナ 「あ・・・・・・」 即座に今の状況を察して凍りつく。 ルナ 「あのー・・・ごめんなさい?」 謝っても許してもらえるはずもなく、ルナは1ヶ月後の英単語テストで70点以上を取ることを命じられてしまった。 まぁ、これもルナの自業自得なのだが。 ちなみに、その時の英語教師の覇王のような顔は、アリアにとって生涯忘れられないものとなった。
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