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「優恵香。月も参加したかったのね。」
いやいや。羽耶ちゃん。なんでそんなにキラキラしながら見てんの。
...まあ、解らない事もないけどね。かっこいいもんね。
みんなさ。月君が置いていった人は桐生君。久しぶりに見た気がする彼の顔。
「...やっぱりみなさん、すっげー。優恵香さん。羽耶さん。行きましょうか。」
桐生君は名残惜しそうにあたし達を連れて外へ向かう。
彼等の間を切り抜けるかの様にあたし達は歩いていく。
すぐ近くで人が倒れたり、殴られたりしているのだ。
途中、羽耶ちゃんの小さな怯えた声がした気がした。
「優恵香っ!後でなっ。」
そう言って余裕を見せるのは黒馬君だ。殴りながらも軽く手を上にあげながら声をかけてくる。
戦ってる彼等を見るのはこれが初めてのあたし。
ただいると思っていた綾。その姿は最後まで確認出来なかった。
「桐生君っ!綾は?」
女だから?いや、綾は喧嘩慣れしてる。少なくとも、綾は彼等の戦力になるはずだと思う。
だけど、桐生君はその問いに答える事はなかった。
ただ寂しそうに微笑むだけで、あたしの不安を更に大きくさせるのだ。
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