コワレタ華

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あたしは、入り口の前で待っていた満希を押しのけて、先にエレベーターへと向かう。 どうせ、作らないといけないのだから早く済ませた方が楽だ。 すぐ後を追って来た満希も、あたしのすぐ後で部屋の中へと入る。 「満希。適当に作るから。ちなみに…ー。」 「はいはい。文句をゆうなら食べなくていい。だろ?」 よーく解ってらっしゃるこのお兄様は。 こうなったら、満希の嫌いな物フルコースでも作ってやろうかしら。 「優恵香ちゃーん。頼むから、野菜だけとかはやめてくれよー。」 むむっ…。あたしの思考まで読まれている…。解りやすいのかしら。 玄関で靴を脱ぎ、真っ直ぐ向かった先に我が家のキッチンはある。 マンションだからか、あまり広いキッチンではないが、白いこの空間があたしは何気に好きだったりするんだよね。 冷蔵庫の中から適当に野菜を出し挽き肉を手にして、まだ使い慣れてない小さめの鍋に材料を放り込む。 うちのカレーにはジャガイモは入れないのが基本で、その為に調理時間は短く済むのだ。 これを考え出した人は、本当に凄いと思う。
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